第10回LC研究会のご案内

第10回のLC研究会を以下の予定で開催します。

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第10回LC研究会
日時: 2010年2月24日 (水) 16:00〜18:00
場所: 国立国語研究所417室
発表者: 林直樹 (日本大学文学研究科)
題目: 「疑問文に現れる非上昇調」の出現要因
―山形県三川町方言を事例として―
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概要

日本の方言には「疑問文の文末を上昇調で発話」する形式をとらない地域があり、東北方言はその代表的な地域としてあげらている。しかし、その実態については、疑問文に限定しても、複数の音調が存在する可能性があるものの、主要な実現音調について様々な指摘があり、それぞれの音調に付される名称も異なっている。また、複数の音調が出現する要因についても十分に解明されていないため、研究の余地があるように思われる。本発表は、山形県三川町における調査を事例に、「疑問文に現れる非上昇調」の出現に影響する条件を把握するとともに、社会的属性による使用実態の差異を捉えることで、当該方言にお
ける音調変化のパターンを概観することを目的とする。分析に際しては、疑問文に現れる非上昇調の出現要因として1.文型(YesNo疑問文・WH疑問文),2.年層(高年層・中年層・若年層),3.アクセント(文末アクセント句におけるアクセント核の有無),4.性(男性・女性),5.文末詞をとりあげ、言語内的要因・外的要因の両側面から検討を行う。また、非上昇調と共通語的な上昇調の出現パターンを社会的属性を踏まえた上で分析し、当該方言における音調変化の傾向を明らかにすることを試みる。