第14回LC研究会のご案内

第14回のLC研究会を以下の予定で開催します。

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第14回LC研究会
日時: 2010年6月23日 (水) 17:00〜19:00
場所: 国立国語研究所モニター室
発表者: 野口広彰 (日本インサイトテクノロジー)
題目: 心理実験を用いたあいづち生起環境の同定法
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概要

あいづちが会話進行上重要な役割を果たすことから、あいづち応答のモデル化に関する研究がこれまで数多く発表されている。あいづち応答のタイミングに関する先行研究の多くは、シグナル仮説(後述)に基き、自然会話コーパス(後述)の観察を通じて、聞き手があいづちを打つ際に手がかりとしてる話し手の発話の特徴(あいづちシグナル)の抽出を目指してきた。そしてその多くが、あいづちが打たれた箇所に先行する話し手の発話部分の特徴に着目し、これらに共通する特徴を発見するという方法が採用してきたが、方法の是非について議論されることはこれまで無かった。本発表では、シグナル文脈推定法について再考し、その基礎となる「あいづち生起環境(ARP)」を提案する。先行研究において分析の基礎として採用されて来た「あいづち生起箇所」(後述)が分析上の基礎として妥当であるかについて
論じ、これに代わる抽出方法について論じる。次に、同一の音声刺激に対して複数の被験者にあいづちが打てそうな箇所をマークさせる心理実験により、話し手発話に対する任意時点でのARP尤度の算出方法について論じる。最後に、ARP尤度の違いがあいづち生起環境らしさを反映していることを印象評定実験により示す。