第19回LC研究会のご案内

第19回LC研の案内です。

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第19回LC研究会
日時: 2010年11月26日 (金) 17:00〜19:00
場所: 国立国語研究所モニター室
発表者: 吉川正人(慶應義塾大学大学院文学研究科)
題目: 文事例の超語彙索引付けに基づく構造記述の理論と実践:
パターン束モデルの基礎原理と応用
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概要

統語構造の記述は従来、語とそれを組み合わせる規則・原理の対か、構文文法(Construction Grammar)のように、宣言的な文の「型」の(多重)実現という形で表現されてきた。しかし何れのアプローチも、「語か構文か」という二項対立を暗黙の前提としており、結果的に記述の不備、具体的に言えば、過剰な一般化を招いていると考えられる。本発表では、ヒトの言語記憶の構造と組織化のモデルとして考案されたパターン束モデル(Pattern Lattice Model, PLM)を紹介し、PLMの定義する、語でも(抽象的な)構文でもない中間段階の「(超語彙)パターン((super-lexical)patterns)」を文事例の索引として利用することで、全く新しい形の文構造の記述が可能になり、特にそれがコーパスデータに基づく帰納的な構造記述のア
プローチを取る場合に有効となることを主張する。