第46回LC研究会のお知らせ

第46回LC研の案内です。

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第46回LC研究会
日時: 2013年6月28日(金) 17:00〜19:00
場所: 国立国語研究所3階セミナー室
発表者: 全美炷 (一橋大学大学院言語社会研究科)
題目: 修飾関係、2文節のモーラ数によるdephrasingの生起の予測
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概要

本研究は、dephrasingの生起環境を調べることを目的とする。今回の調査では、2文節の修飾関係と2文節のモーラ数がdephrasingに及ぼす影響を検討した。
先行研究では、連体修飾と連用修飾のいずれでもdephrasingが現れると述べられている。しかし、実際の発話を対象に連体修飾、連用修飾におけるdephrasingの有無を比較した研究は多くない。また、発話の際に、長い句は避けられる傾向があるとされるが、多量のデータを用いてモーラ数とdephrasingとの関係を統計的に分析した研究は報告されていない。
本調査では、『日本語話し言葉コーパス』コアを用いて修飾関係、2文節のモーラ数によるdephrasingの有無を分析し、その予測を試みた。修飾関係のうち連用修飾は、補語を役割別に直接補語(ヲ格) と非直接補語 (ガ格) に2分類し, 連体修飾は, 修飾語を品詞別に形容詞, 動詞, 名詞に3分類して検討した。結果として、dephrasingの比率は「形容詞+名詞」「動詞+名詞」で最高値をとり、9モーラ以上ではdephrasingの比率が0.5以下に減少するという結果が得られた。本発表では現在までの研究結果を紹介する。