第59回LC研究会のお知らせ

第59回LC研の案内です。

———————————————————————
第59回LC研究会
日時: 2015年4月15日(水) 17:00〜19:00
場所: 国立情報学研究所
発表者: 阿部廣二(早稲田大学)
題目: 青年期の同窓会場面の戸惑いの構造
———————————————————————

概要

発表者は青年心理学の立場から、同窓会で見られる相互行為の研究を行っている。青年期とは、児童期から成人期にかけて、認知的な諸機能はもちろん、社会的地位や人間関係も大きく変容していく発達段階である。こうした様々な変化の渦中にある青年期の若者における「過去の友人と再会」とは一体どのような経験なのだろうか。先日提出した修士論文において、発表者は若者の同窓会で起こる戸惑いに着目し、1.戸惑いを起こさないよう、参与者の現在に関する発話が回避される傾向があること、2.特定の参与者の現在が相互行為のなかで顕在化されることにより、過去との対比の中で戸惑いが生じること、を見出した。そしてこうした戸惑いが、青年期が発達的な変化の渦中にありつつ、友人関係が過去から現在にかけて持続していることに起因して生じていることを考察した。今回の発表では、前半に上記の修士論文の概要を報告し、後半にみなさまから多角的なコメントをいただければ幸いである。またこうした同窓会データは発達研究のみならず、相互行為研究、会話分析など様々な応用可能性があると考えられる。こうしたデータの可能性を吟味し、今後の研究の可能性について検討していきたい。