第90回LC研の案内です。
第90回LC研究会
日時: 2023年12月27日(日) 17:00〜19:00
場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス 7号館209教室
発表者: 遠藤智子(東京大学)
題目: 「短期的な長期的会話分析:家庭内神道儀礼における指示の形式」
終了後、早稲田大学近くで忘年会を行います。参加をご希望の方はメーリングリストの調整さんから出欠を入力してください。
概要
対面の相互行為において「イマ・ココ」への意識が決定的重要性をもつことは論を俟たないが、同様のやりとりが繰り返されることで参与者間に相互行為の歴史(interactional history)が形成されるにつれ、相互行為の形が変容することもまた無視できない。長期的会話分析(longitudinal CA、Deppermann & Pekarek Doehler 2021)はそのような相互行為の変容を捉えようとするものである。長期的会話分析が対象とする時間枠は長ければ年単位に及ぶこともあるが、一回の相互行為イベントの内部においても、やりとりの蓄積にしたがって行為のなされ方が変わる可能性は十分にある。本発表では、複数の参与者に対して繰り返し同様の行為指示を行う場面の分析を通じ、指示のあり方の変容を捉えることを目指す。なお、聞き手による指示形式の違いについてはEndo(2023)にて論じており、また場面が家庭内の神道儀礼というやや特殊なものであるので、上述の文献も合わせ、必要に応じて事前に参照していただきたい。
資料
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第89回LC研の案内です。
第89回LC研究会
日時: 2023年10月29日(日) 16:00〜18:00
場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス 7号館203教室
発表者: 泉大輔(立教大学)
題目: 相互行為における逸脱的な造語と名づけ(仮)
概要
「振り込め詐欺」「いいねボタン」「かまってちゃん」「話しかけるなオーラ」「幻のポケモンをもらおうキャンペーン」などは、一般的な表現(「保険金詐欺」「電源ボタン」「花子ちゃん」)とは異なり、セリフ調の言葉を取り入れるという方法で作られた特異な表現である。一般的な文法規則を逸脱するこのような言語現象は話し言葉、打ち言葉のほか、広告表現などでも広く観察されるが、本発表では、特に日常会話、商品企画会議、漫才などにおける話し言葉のデータを取り上げる。そのうえで、相互行為の中で臨時に作り上げられる新奇な言葉の逸脱性が、表現の対象を「おもしろおかしく」名づけ、聞き手に対して鮮烈な印象与えるという伝達上の機能を有するという仮説のもと、考察を行う。
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第88回LC研の案内です。
第88回LC研究会
日時: 2023年8月27日(日) 17:00〜19:00
場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス 7号館203教室
発表者: 森大河(千葉大学大学院融合理工学府 博士2年)
題目: 相槌と頷きを含むマルチモーダルな聞き手反応モデルの構築と
対話システムへの応用
概要
日常会話において、聞き手は相槌と呼ばれる短い発話や、頷き、笑いなどを用いて話し手の話に反応を返す。これらの聞き手特有の行動は聞き手反応と呼ばれ、聞き手が話し手の話を聞いていることや理解していることを示したり、話をどのように理解したか、どのような態度をとっているかを示したりする機能を持つ。これまでの聞き手反応に関する研究は、主に言語学や日本語教育学、外国語との対照研究などの分野で行われてきたが、近年では対話システムへの応用を目指す情報科学分野でも研究が行われ、主に話し手の発話の韻律情報や言語情報を用いたタイミングの予測が試みられている。本研究では、会話における聞き手の代表的な振る舞いである相槌と頷きに着目し、両者の適切なタイミングと形態を同時に予測するマルチモーダル聞き手反応モデルを提案する。さらに、提案モデルにより、発話とジェスチャーの認知的生成過程を明らかにするとともに、多様な反応を返すことができる傾聴対話システムを構築する。
アクセス
東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5分
都電早稲田駅から徒歩4分
第87回LC研の案内です。
第87回LC研究会
日時: 2023年6月17日(土) 17:00〜19:00
場所: 早稲田大学 27-8号館 人間総合研究センター分室
高田牧舎ビル2F会議室(早稲田キャンパス南門を出てすぐの建物)
発表者: 牧恒平(早稲田大学大学院 修士2年)
題目: 自然会話場面における自己接触行動の分類と頻度
概要
本研究では,自然会話場面における自己接触行動のタイプと頻度を検討する。自己接触行動とは,髪を触る,腕をさするなどの自分の手で自分の身体の一部を触る行動であり,会話の際に頻繁に生じることがわかっている。また,これまで自己接触行動は,ストレスを低下させる効果があることが示されてきた。だが,そもそも会話場面でどの部位をどの程度触るかに関してはよくわかっていない。過去の観察研究(菅原, 1987)では,会話参与者数や観察場面が統制されておらず,必ずしも会話場面での自己接触行動に限定されていなかった。そこで本研究では会話コーパスを利用し,話者の性別や人数,距離が統制された状況での自己接触行動を観察する。友人同士のグループ合計12組の会話場面を対象に,手で触れた身体部位とその頻度等を分析する。
アクセス
東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩3分
都電早稲田駅から徒歩6分