第21回LC研究会のご案内

第21回LC研の案内です。

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第21回LC研究会
日時: 2011年1月13日 (金) 17:00〜19:00
場所: 国立国語研究所モニター室
発表者: 東山英治(千葉大学大学院人文社会科学研究科)
題目: 語りの登場人物を示すジェスチャーの生起要因
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概要

 あるまとまった内容を発話する際、類似した内容に類似したジェスチャーが繰り返し生起することがある。近年、この繰り返される一連のジェスチャーをキャッチメントとして、談話分析の手がかりとする研究がみられる。しかし、これらの研究ではキャッチメントの生起要因についての考察が十分ではない。本研究では、談話のひとつの形態である「語り」の登場人物を示すジェスチャーに限定し、談話における性質からジェスチャーの生起要因を解明することを目的とする。具体的には、対象の登場人物が語りの「中心」であったか、今後も「中心」となりそうかなどを説明変数とし、ジェスチャーの生起の有無を分類する混合効果ロジスティック回帰モデルを構築した。最適モデルから、当該の発話で語りの中心となり、次の発話でも中心となると予測される登場人物にたいしてジェスチャーが生起しやすいことがわかった。また、直近の発話で語りの中心となっている登場人物を言及する際に、その登場人物をゼロ代名詞で指示するとき、ジェスチャーがより生起することも明らかとなった。以上から、本研究は語りの上での特徴量にジェスチャーの生起要因の一端を示した。