第28回LC研究会のご案内

第28回LC研の案内です。

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第28回LC研究会
日時: 2011年10月21日(金) 17:00〜19:00
場所: 国立国語研究所4階モニター室
発表者: 全美ジュ(一橋大学大学院言語社会研究科)
題目: 東京方言のアクセント句融合現象
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概要

東京方言では単語が単独で発話される場合、頭高型を除くすべてのアクセント型で、第1モーラから第2モーラに掛けてF0の上昇が生じる。しかし、日常の会話では、「庭にモモを植える(LHH/LHH/LHH)」という文の文節一つ一つを切り離して発音するよりも、{にわに(LHH)}{ももをうえる(LHHHHH)}のように「モモを」と「うえる」を続けて一句に発音することが多い。このように連続する二つの文節が一つのアクセント句内にまとまると、第1要素(文節)はアクセントどおり発音されるが、第2要素は、1モーラから2モーラにかける句頭上昇(LH)が生じないため、アクセント型が変化する。二つの文節が一つのアクセント句を形成する現象(以下、アクセント句の融合現象)ついて、従来の研究では2要素中、一方が平板式である場合にアクセント句が融合する傾向があると報告されている。本発表では2要素間の文法構造及びフォーカスという二つの要因を加えて、アクセント句が融合する環境について考察する。