第31回LC研究会のご案内

第31回LC研の案内です。

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第31回LC研究会
日時: 2012年1月27日(金) 17:00~19:00
場所: 国立情報学研究所12階1210室
発表者: 天谷晴香(東京大学大学院総合文化研究科)
題目: Visual Prosody―アナウンサーの頭部動作と統語・韻律構造の関係―
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概要

顔周辺のジェスチャーが発話理解に貢献しているという研究結果が報告されています。顔周辺のジェスチャーとは頭(Munhall et al. 2003)や眉(Cave et al. 1996)の動きです。Munhall et al.はこれらの動きをvisual prosodyと呼んでいます。
視覚情報が発話理解に貢献する時、それは発話音声の韻律情報や発話の言語構造と関係していることが考えられます。
本研究では日本語話者の頭の動きと発話の韻律構造・統語構造との関係に焦点を置き分析・考察します。
具体的にはテレビ放送におけるアナウンサーのニュース発話を分析しています。
これまでの観察によると、文末動詞と頭のうなずき(head nod)が高い確率で共起しています。文中の動詞とは共起するケースとしないケースがあり、共起の条件付けを統語構造的に説明できないか考察します。
また、頭のうなずきが見られる時、その動きの準備段階として頭が少し上に上がる様子が見られます。この上への動きをgesture unit (Kendon 2004)の始まりとして、頭のgesture unitと発話の韻律ユニットの関係についても考察したいと思います。