第66回LC研究会のお知らせ

第66回LC研の案内です。

第66回LC研究会
日時: 2016年7月26日(火) 17:00〜19:00
場所: 国立情報学研究所20階2006室
発表者: 名塩征史(静岡大学)
題目: 理容行為と会話の並行・両立に寄与する理容行為の「節目」

概要

本発表では,理容室における理容行為と会話の並行・両立といったマルチ・アクティビティを観察,分析し,主な活動の主体である理容師が二つの活動に発話と身体行為を適宜分配する様相と,理容行為の「節目」との関係を探る.
理容室では,身体行為の連鎖を基調としながら部分的に発話を含む理容行為と,発話の連鎖を基調としながら部分的にジェスチャーを含む会話といった二つの活動の並行・両立が実践されている.この実践は,その主体となる理容師と客(被理容者)が,理容行為に発話が必要とされるときには会話の中断を余儀なくされ,また会話に志向するジェスチャーを行うときには理容行為の中断を余儀なくされるという競合の可能性を孕んでいる.こうした競合が想定されるマルチ・アクティビティにおいて,理容師は理容行為の進捗とどのように折り合いをつけることで会話を実践しているのか.理容行為のどのような「節目」が会話との噛み合わせの調整に活用されているのか.本発表では,会話に志向するジェスチャーの現れや話題の転換点などを糸口に,理容行為の「節目」を探り,その「節目」における会話との交錯場面に焦点を当てた分析を試みる.